国内製造にこだわるのは品質向上のため

原料はプラスティック製のドラム缶に入った状態で輸入されます。未殺菌の一次原料のため、収穫直後の状態保持していて、果肉は固く締まり、色鮮やかです。シェリーズでは、この一次原料を塩分調整し、味付けし、殺菌工程を加えて出荷します。海外で製品化されたオリーブでは、日本人の要求する品質水準を確保できないからです。このように、外国産の一次原料を使用して大規模に国内製造を行うオリーブメーカーは、まだ日本には多くありません。

美味しいシェリーズのオリーブができるまでの動画はこちら

https://youtu.be/3L-1G5B1amM

原料のオリーブをイタリアから冷蔵コンテナで輸入しています。

ヨーロッパのテーブルオリーブは、毎年秋に農家が収穫し、渋抜きして樽の中に塩蔵した状態で保存されます。特に新漬けオリーブは発酵させずに渋抜きする製法のため、冷蔵で保管する必要があります。室温においておくと、自然に発酵を始めて食べられなくなってしまうからです。ですので、日本には冷蔵コンテナで運ばれます。発酵していない生のオリーブは、ご覧のように樽中で瑞々しい緑色を保っています。
もともとオリーブというのは、伝統的に発酵させて渋を抜いていました。この発酵プロセスは5ヶ月ほどかかり、秋に収穫したオリーブが食べられるようになるのは翌年の春を待たなければいけませんでした。
200年ほど前に南フランスで灰汁でオリーブの渋を抜く製法が発見されました。この製法が日本に伝来したのはつい最近のことですが、一晩で渋が抜けて食べられることから、日本では「新漬け」と呼ばれています。シェリーズの「新漬けオリーブの実」はイタリアで新漬けにされたオリーブで、樽中で塩蔵してさらに冷蔵保存することで一年を通して出荷することができるのです。

塩抜きをして、PH調整して大袋に小分け包装

樽中のオリーブは、一つひとつが微妙に異なります。同じ樽のオリーブでも、樽の上と下とで塩分濃度は違うのです。私たちは、入荷した樽をそれぞれ検査し、個別に塩抜きします。オリーブの味はこの脱塩工程で決まります。
私たちがオリーブを生の原料として輸入しようと考えた理由はここにあります。自社の製品の味を自分たちの手で決めるためには、どうしても生の原料が必要だったからです。
シェリーズの新漬けオリーブは、塩分濃度2.5%を目標にしています。濃度が高いと強い塩味のためにオリーブの味が弱まり、濃度が低すぎても水っぽくなって美味しくありません。オリーブの味は果汁とオイル、そして塩分のバランスで決まると言ってもいいと思います。

低温殺菌(pasteurization)

脱塩したオリーブは、PH調整のためにクエン酸、酒石酸を添加した塩水とともに密封され、レトルト殺菌機で低温殺菌されます。
殺菌された後のオリーブは、もう味が変化することはありません。ただ、殺菌温度が低いので要冷蔵商品として流通します。
シェリーズでは、注文に応じて、この原料を使って小売り用の商品を製造しています。

製造過程は工程ごとに作業手順を決めています。

品質管理は息の長い取組みです。日々の改善は必要ですが、変えてはならない部分もあります。このため、シェリーズでは製造工程を分析して作業内容や使用する器具、その取扱い方法についてマニュアル化を行っています。シェリーズの製品を購入したお客様に常に同じ品質の製品を届けるということが最終目標です。そのためには、全社員が一つの基準に従って作業することが必要だからです。